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最強の名字
「黒武者」「乱獅子」「大将」など強そうな単語ですが、実はこれ実際に存在する日本人の名字なのです。その他にも、鬼、死、悪、魔など近寄りがたいお名前もあります。
由来をたどると奇妙なご先祖を持つ一族もいるようです。そんな最強名字を見ていきましょう。
勇ましい職業からついた名字
武勲からついた名字
ご先祖様の立てた功名や武勲などが由来になっていることがままあります。そうした由来の名字には強そうなものが多いようです。
例えば不死原(ふしはら)さん。不死身な感じが門司からにじみ出ていますが、まさにその通り。
由来は昔ある一人の傷ついた侍が、殿様を助けた際に、瀕死の状態にもかかわらず助けた功であるとしていただいた苗字と言われています。
また無敵(むてき)さん。誰と戦っても絶対負けそうもない名前ですが、このお名前は、幕末の長州征伐の際に、高杉晋作に仕えていた侍が、石をもって投げて戦っていた。それを見た高杉晋作がそのすさまじさに感心し、無敵という名前を与えたといわれています。
さらに悪七(あくしち)さん。悪いイメージをもつ字であるため、非常に悪そうな人物であるかのような名前ですが、実はそうではありません。
名字の由来としては藤原家の武将、藤原景清(かげきよ)が先祖で、人並外れた力があったことから悪七兵衛と呼ばれ、その「悪七」がルーツとなっているといわれています。
それではなぜ悪などとあまり良くない字を使ったのかというと。「悪」という字は、昔(南北朝時代頃)は決して悪い意味として使われていただけではなく、
権力の外側で力を持っていて、権力に頼らずに本当に実力のある人という意味で使われていた。そのよい例が有名な「楠木正成」が「悪党」と呼ばれてたことでもわかる。
日本は常に戦の連続であったという歴史があったことを考えると、こうした戦に関わる名前が多いのもうなづけますね。
ご先祖様が鬼だった名前!?
「鬼」という字も怖く、あまり良いイメージではない気がしますが、この「鬼」を冠する苗字は実はたくさんあります。
鬼(おに)、鬼頭(きとう)、
鬼塚(おにづか)、
鬼束(おにづか)、
青鬼(あおき)、
鬼神(おにがみ)、
鬼王(おにおう)、
一鬼(いちき)、
三鬼(みき)、
四鬼(しき)、
八鬼(やぎ)、
九鬼(くき)、
百鬼(なきり)、
百目鬼(どうめき)、
鬼門(おにかど)など。
これらのうち「九鬼」さんの由来から何故「鬼」という字が嫌われず使われたのかが分かります。
それは南北朝時代の頃、後醍醐天皇が熊野詣する際に身の回りの世話をしていた役割の人物がいました。その人物の細やかな仕事ぶりが認められて後醍醐天皇よりいただいた姓だといわれています。
その際なぜ「鬼」の字が使われたかというと、鬼というのは人を襲う恐ろしい妖怪で頭に角があります。普通鬼の字には頭に点がありますが、こうした名字のルーツにはこの頭の点が無い字を使った記録があります。
この鬼の角が取れた字の意味するところは、角が取れた(改心した)優しい鬼であるとも言われ、またこの字を「カミ」とも読んだようです。
その意味するところは鬼はもともと人の心の裏側を表しており、心持ち次第で鬼にも神にもなる表裏一体な存在であった。そうした神聖な意味で拝領した名字だといえるのです。
この改心した鬼には別の由来もあります。
人間に悪いことをしていた鬼がいたのですが、奈良の山里で修験道を確立した人物である役行者により改心させられ、人間になったという伝説です。
676年頃、こうして改心した鬼が前鬼後鬼といわれ、役行者(えんのぎょうじゃ)に付き従って山奥への修行に付き従っていたが、その前鬼後鬼は夫婦の鬼であったため、5人の子供が生まれれ山里へ住み着いたそうです。
その子供達が母親の後鬼と、5人の子という云われから「五鬼」を冠したついた名前、
五鬼助(ごきじょ)、
五鬼継(ごきつぐ)、
五鬼上(ごきじょう)、
五鬼熊(ごきぐま)、
五鬼童(ごきどう)を名乗ったことが由来。
今でも修験道に来る行者をもてなす宿坊という仕事をしているそうです。
仏を守る自らの決意を名前に
名前には非常に珍しい「魔」という字を使ったものもあります。それは「降魔(ごうま)」さまというお名前。
字から察するに悪魔が降りてくる=恐ろしいと感じてしまいますが、むしろその逆で、外から襲ってくる悪魔を仏法の力で打ち倒す事。悪魔を降伏させるという意味があるようです。
その名前の由来は、
明治元年、国は神仏分離令により天皇を中心とした国家神道の樹立を目指した。しかし神仏分離令に反対した民衆が暴徒となり、争いがおこりました。
その際に先頭に立った一人の方がこのお名前の祖先だったといわれます。権力に抗い仏教を守り抜くことをこの字に込め名乗ったのがルーツのようです。
恐ろしい教訓からつけらえた名字
押切(おしきり)という名字があります。有名人にもいるため馴染みもある方も多いと思いますが、字自体は「押し切る」という迫力のあるものです。
このお名前は山形県の尾花沢という地域で洪水が堤を押し切って洪水になったことがありました。
その記憶を忘れないように「押切」という名前の地名にし、それが苗字の由来のひとつとなったようです。
昔は今のような頑丈な堤防が無かったため、洪水になりやすい場所多く存在しました。そうした危ない場所には分かり易い地名を付ることで記憶しておくことが重要だったのです。
名字というのはまさに名字は歴史のタイムカプセルみたいなものですね、と古舘伊知郎さんがうまいことを言っておりましたがまさにその通りですね。
このページは人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!の放送を参考に本サイトの情報を合わせながら記載したものです。
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