色の名前がつく苗字

概要

白、黒、青、赤・・・日本には色の名前が付いた苗字がたくさんあります。 日本語には緑色のことを青と表現したり、秋に木の葉が黄色になるにも拘わらず紅葉と表現するなど独特の色表現があります。 こうした日本語における色の表現方法が苗字につける色の名前の原点でもあります。とくに先に挙げた4つの色は日本人がもっとも初めに感じた色だとも言われ、苗字にもたくさん使われています。 それでは色がつく名字について見ていきましょう。

ランキング

色の名前が付いた苗字のランキングを見ていきましょう。
順位苗字読み世帯数分布状況
1 青木あおき55600神奈川県、東京都、埼玉県などに多く沖縄県には少ない苗字
2 黒田くろだ、くろた22400兵庫県、大阪府、愛知県などに多く沖縄県には少ない苗字
3 白石しらいし、しろいし17500愛媛県、福岡県、埼玉県などに多く沖縄県には少ない苗字
4 青山あおやま17000愛知県、北海道、東京都などに多く沖縄県には少ない苗字
5 白井しらい、しろい 14700愛知県、神奈川県、千葉県などに多く沖縄県には少ない苗字
6 黒木くろき、くろぎ12800宮崎県、鹿児島県、福岡県などに多く岩手県には少ない苗字
7 黒川くろかわ、くろがわ11600千葉県、大阪府、神奈川県などに多く沖縄県には少ない苗字
8 石黒いしぐろ、いしくろ9700愛知県、北海道、新潟県などに多く佐賀県には少ない苗字
9 青柳あおやぎ、あおやなぎ9000東京都、千葉県、新潟県などに多く高知県には少ない苗字
10黒沢くろさわ、くろざわ  8600埼玉県、茨城県、群馬県などに多く沖縄県には少ない苗字
11白川しらかわ、しろかわ、ひろかわ7200香川県、北海道、福岡県などに多く沖縄県には少ない苗字
12黒岩くろいわ5300長野県、群馬県、福岡県などに多く青森県には少ない苗字
13赤松あかまつ4900兵庫県、愛媛県、大阪府などに多く沖縄県には少ない苗字
14目黒めぐろ4600新潟県、福島県、北海道などに多い苗字
15赤木あかぎ、あかき4600岡山県、広島県、宮崎県などに多い苗字
16赤坂あかさか4200青森県、北海道、東京都などに多く沖縄県には少ない苗字
17白鳥しらとり、しろとり、はくちょう 4200静岡県、長野県、千葉県などに多い苗字
18青野あおの、せいの4200愛媛県、静岡県、北海道などに多く鳥取県には少ない苗字
19白木しらき、しろき3800岐阜県、福岡県、愛知県などに多く沖縄県には少ない苗字
20黒崎くろさき、くろざき3700栃木県、東京都、新潟県などに多く高知県には少ない苗字
21赤羽あかばね、あかはね、あかば、あかは3600長野県、栃木県、東京都などに多い苗字
22紺野こんの3500福島県、北海道、岩手県などに多い苗字

特徴

ランキングを見ると、冒頭に述べた通り名前には白、黒、青、赤の4色が多いことが良く分かります。 それではなぜこの4色が多いのでしょうか?

日の出が原点

名字に使われる色の原点は古来日本人がみた、それは日の出における色の動ききているといわれています。 古来日本、つまり日本書紀や古事記では、日の出のイメージから得られたこの4つの色しか登場しません。

夜明け前光の無い真っ暗な状態。「暗し」が語源
日の出直前日がぼんやりと差し込み漠然とした明るさがある状態。「漠然」が語源
日の出太陽が野母rはじめ空が赤く染まる状態。「明かし」が語源
日中太陽が昇りまぶしいくらいの日光で満たされた状態。「顕(しる)し」が語源

つまりはもともとこの4色しかなかったため、この4色の字がつく名字が多く、後に詳しく述べますが逆に他の色の字が使われ無かった理由とも言えます。

これは名前とは関係ないですが、この4色が古来から使われていた証左として、青い、赤い、黒い、白いという形容詞はあるが、 「黄い」とか「紫い」、「緑い」といった形容詞はありまえせん。現代でもしばしば使われているように、 「緑い」は「青い」と表現され、「黄い」は紅葉であるように「赤い」と表現されます(現在では黄色は黄色いというと思いますが)。 また黒々、青々、白々、赤々などという表現もこの4色だけです。

その他の色の名字
前述の4色以外では、最も多いのが紺野さん、続いて緑川さんとなっており、ここまではある程度聞いたこともあるかと思いますが、それ以外となると珍しい名前の方が多くなります。
4色以外の色がつく名字
茶谷さん、紺谷さん、茶木さん、紫藤さん、さん、筑紫さん、日紫喜さん、紫垣さん、黄瀬さん、黄川田さん、黄木さん、紺田さん、小紫さん、など

黄色の「黄」や紫色の「紫」という漢字は7世紀の初頭から入ってきた色名であり一般的に浸透していなかった。一方人口が多く古来からある苗字は、平安の終わりから、鎌倉時代に生まれたものが多いため、こうした漢字のついた字が比較的少なくなったと考えられます。

このページは人名探究バラエティー 日本人のおなまえっ!の放送を参考に本サイトの情報を合わせながら記載したものです。



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